「HSC」ということば、ご存知ですか?
私は文字として見たことはあったものの、子どもが不登校になり、あれこれ調べていたことで偶然知りました。
その時はまさに「うちの子だ!」とドンピシャでした。
ここでは、HSCの特徴と不登校との関係についてお話ししていきます。
こんにちは!
こいちご と申します
娘のモモ
小5の3学期からお休み中
不登校特例校の中学校とフリースクールに在籍しているよ
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この記事ではHSCの特徴、学校の行き渋りや不登校でお悩みを持つ方向けに、詳しくお伝えしていきます
HSC(Highly Sensitive Child)とは?
「ひといちばい敏感な子」を表しています。
大人は、HSP(Highly Sensitive Person)といいます。
アメリカの心理学者Elaine Aron(エレイン・アーロン)博士が提唱したものです。
生まれ持った性格、性質、気質で、病気でもなければ、環境によるものでもありません。
最近は「繊細さん」「繊細っ子」「敏感っ子」なんていう言葉をよく耳にしますね。本屋さんでも関連の本がずいぶんたくさん並んでいるなと感じるようになりました。
5人1人の割合でその気質を持った子がいます。多いようで、やはり少数派なので生きづらさを感じることが多いのも事実です。
何に対して敏感かは人それぞれです。
HSCと聞くと内気なイメージですが、
- 内向型
- 外交型
とあり、外交的なタイプの子も約30%います。
セルフチェックなど、今はたくさんのHSPやHSCのことが書籍やインターネットで探せます。
エレイン・アーロン博士のホームページでセルフチェックがあります。
私は専門家ではありませんので、私の子育て体験談として特徴をこれからお伝えします。
初めは不登校になっていろいろと調べているうちに、「これだ!」と腑に落ちたのがHSCを知るきっかけです。不登校になっていなかったら知らなかったのかもしれません。正直、小さい頃から知っていれば、もっと違った育て方ができたかもと思います。
でも子育てに完璧はないですよね。後から考えると私なんか自分のやったことに後悔だらけです。
HSCの特徴 我が子の場合
HSCは治るものでも、治すものでもありません。
我が子モモ特徴
HSCの特徴と同じだな、と感じたことをピックアップしました。
下記のリストは幼児期から小学校くらいまでの間に、特に目立っていたものです。目立ち方は大小さまざまです。
似ている(重複)項目もあります。
- 匂いに敏感
- 眩(まぶ)しがる
- びっくりしやすい
- 極度のくすぐったがり屋
- シャツのタグを気にする
- 靴下、タイツの縫い目が気になる
- 記憶力が良い
- 理解力に優れている
- 完璧主義(でもズボラ)
- 石橋を慎重にたたいて渡るタイプ
- こだわりが強い
- 痛みに敏感
- 五感が鋭い
- 怖がり(遊園地の乗り物やお化けものは好む)
- 微妙な変化に気付く
- 深く考える
- 相手の気持ちを考え過ぎる
- 人に気を遣い過ぎる
- かなりの偏食(食わず嫌い)
- すぐ怒る
- ロングスリーパー(気を遣いすぎて疲れるかららしいです)
- 親(私)の心の変化にすぐ気付く
- 空想が好き
- ぬいぐるみにも感情があるかのような態度をする
- 自己肯定感が低過ぎる
- 靴下の中の少しの異物、濡れてしまった服をとても嫌がる
- 一時、(事件・事故・災害の)ニュースを見るのを嫌がる時期があった
- 正義感が強い
大きい音が苦手というのもHSCの特徴ですが、モモの場合は大きな音に対しては人並みでした。
上記の中には、HSCの子どもでなくても当てはまるものがあるかと思います。
でもこれだけ出揃えば、モモはHSCなのかなと思っています。
シナモンの匂いがするー
やだー
気づかれないように気を付けたのに、なんでわかっちゃうの?
※ ASD(自閉スペクトラム症)も感覚過敏やこだわりが強いなどの特性があります。ASDはごっこ遊びが苦手、人と視線を合わせない、状況を読むことが苦手など… 気になることがあれば医師などにご相談ください。
いろいろなことが気になる子ども
上記の中で、いくつか詳しくお話しします。
♦︎匂いに敏感
♦︎眩(まぶ)しがる
♦︎くすぐったがり屋
この3つは、あとからHSCだなと強く感じたところです。
思えば、くすぐったがりは私もそうでした。今となってはだいぶ鈍感になりましたが、改めて思うと私もHSPの気質を持っていると思います。
♦︎靴下、タイツの縫い目が気になる
靴下はそんなでもなかったのですが、久しぶりにタイツを履かせたら、つま先の縫い目が気になる〜気になる〜と言うのです。私からしたら「えー?どこが?」とその時は全く気持ちが分からなかったので、もう少しわかってあげれば良かったと今となっては思います。
♦︎記憶力が良い
とにかくよく見てる。覚えている。全く知らない人の服装や、その場の風景、言った言葉などをよく覚えています。
なんでもモモに聞けば間違いない!と思っているので頼りにしています。
♦︎理解力に優れている
ストーリが難しいドラマや映画を観ると、私より理解力があるのです。最初は1回見ただけでは意味不明な時もあるじゃないですか(私だけでしょうか)。集中力があるというか、しっかり登場人物の関係性、あらすじを理解しているので私は感心してしまいます。
♦︎完璧主義(でもズボラ)
しっかりやらないと、という気持ちが強いです。でもモモの場合は相当なズボラさんです(汗)。
思うだけで行動が伴わない。余計に大変なのかもしれません。
♦︎こだわりが強い
思い出すのは幼児の頃の服装です。自分のお気に入り服が洗濯中で着られない、私が一言「こっちの方がいいんじゃない?」と言ったらもう大変な騒ぎでした。楽しみにしていたお出かけも、それが理由で何度お出かけ中止になったことか…。
♦︎偏食(食わず嫌い)
赤ちゃんの頃から小学校までは、炭水化物以外で食べられるものが少なかったです。なので保育園や学校の給食はほとんど食べられずにいました。先生にはかなり心配されましたが、今となっては食べられるものがかなり増えています。
♦︎すぐ怒る
ほんの少しの何かの原因、キッカケで怒り出したり、激しく泣き続けていました。これは小学校高学年まで続き、不登校になってしばらくお休みしてからはなくなりました。お休みしたことと、成長の両方があるのかなと思っています。普段はニコニコしていて、泣き出すとそれはそれは大変ですが、家族としては慣れっこでした。
♦︎正義感が強い
横断歩道、駅の上り下りの区分けなどを徹底します。ニュースで嫌な事件を見たり、ゴミが捨てられている事に対して非常に怒っています。そして時には気持ちまで沈んでしまうんです。
つい最近一緒に出掛けた時のこと。駅の階段で下りゾーンを私が上っていくと「お母さんこっち」と娘、「誰もいない時はいいんじゃない?」と私、そのあとはもう超不機嫌でした。大きくなると、そのあたりで気を遣います。
HSCと不登校
不登校になった時
学校の行き渋り、不登校になった時は限界まで追い詰められていたと思います。もっと早くわかってあげれば良かった、それまで「いろいろと気にし過ぎだよー」なんて言葉を簡単にかけていたとが後悔ばかりです。
学校へ行かなくなってから初めてHSCを知り、集団生活に馴染むことがモモにとって大変なことだったと知りました。それがわかっただけでも不登校は大きな意味があったと思います。
不登校になるまでの経緯は、下記の記事で詳しくお話ししています。
おすすめの一冊はこれ
私が読んだ本の中に、HSCのことが詳しく書かれていて参考になったものがあります。
「HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子」1万年堂出版
著者 子育てカウンセラー心療内科医 明橋大二
イラストを描かれた太田知子さんもご自身の経験をイラストにしているそうです。
この本の中に、第19章『学校の先生のために』にという章があり、先生に向けたHSCの子の注意点や接し方が書かれているのです。
不登校後に私はHSCを知り、先生にHSCかもしれないと話したところ、先生はその言葉を知りませんでした。もし私が早くモモの気質をわかっていたら、その章をコピーをして先生に事前にお渡しできたのになと思います。
先生が聞いたことがあっても、深いところまでは理解していないかもしれません。もし今、お子さんが登校を行き渋っていたりお休みがちのお子さんをお持ちの方は、担任の先生に理解してもらうことを実践するのもおすすめです。
この本はHSCを知って、親も子どもも前向きになる本です!
親はHSCを理解することが大切です。
カラーのイラストやマンガもたくさんあり、読みやすいので是非おすすめの一冊です。
中学生のいま
中学生になり心も体も成長し、今は落ち着いたという印象です。
先ほどのリストのうち、気にしなくなったこともたくさんあります。本人は言わないだけで、ただ慣れてきているだけかもしれません。HSCの性質は基本的に大人になっても変わらないといいます。
怒ることは今はほとんどありません(思春期ならではの不機嫌はあります)。
穏やかなのは、学校をお休みしていることも関係していると思います。
親として、これからのこと
今だから昔のことは穏やかに思えますが、赤ちゃんの頃から不登校になるまで、その途中では「気難しい性格だな」と何度も思い、辛く大変な時もありました。モモが泣きだすと窓を閉めたものです。時には近所の方が「ピンポーン」と来ることもありました。モモが爪を立てて私の腕を握り、引っ掻くので、私の腕が傷だらけになることもありました。
でも園や学校では先生を困らせないモモ。その反動で、家では怒ったり激しく泣いたりしていたのだと思います。家で自分をさらけ出せるのは必要なこと。そのままの自分を出せる場所、安らげる場所があるのは大切ですね。
これからも、子どもが「自分をわかってもらえる場所」を自然と作ってあげるのが親のできることだと思います。
将来・そして良かったと思うこと
私も子供のことがきっかけで、自分がHSP気質かなと思いました。よく「娘ほどではないけどね」って思うのですが、実は昔のことは忘れていて、同じようなことがあったのかもしれません。そういえば、母によく泣く子だったと言われていた気がします。人の事を考え過ぎたり、何かと気づいてしまったり、慎重派だったりと繊細な部分が自分でも多く感じます。
今、私が社会に出て思うことは、仕事をする上でプラスになっている事も多いと感じるのです。それは周りをよく見ていること、状況を把握できるということです。結果、仕事が効率よく進んだり、慎重派なのでミスが少なかったり(完璧ではありません)円滑に回っていきます。それはこの性格のおかげかなと思います。
モモも同じように、将来は自分に合ったものを見つけることができれば、得意なこととして活かすことができると思っています。
気持ちをラクに
私がよくしんどい時にすることは、子どもは「自分とは別」と思うことです。当たり前じゃーんと思うかもしれませんが、知らず知らずのうちに、自分と同じ考えや行動をしない我が子にイライラしてしまいます。
自分とは全く違うんだと一息入れただけで、私はラクになります。親は子どもに対してサポートすることしかできません。私とは別なんだとわかっていても、時々あらためて思い出してみてはいかがでしょうか。
まとめ
HSCの子を育てるのは正直しんどい時もあるかと思います。
世の中にはたくさんのHSCのお子さん、HSPの方がいます。割合としてはそうでない人の方が多いので、目立たないかもしれません。でも同じ仲間がたくさんいることは心強いですね。今は昔に比べて、理解も深まり情報もたくさん入ってきます。
これからを生きる子どもたちが、生き生きと楽しんで暮らせる社会をつくっていきたいですね。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました
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参考資料:「HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子」明橋大二