子どもが不登校になった、あるいは学校を休みがちになった。親も子もとても辛い出来事ですよね。これからどうなってしまうのだろう、いつ学校へ行けるようになるのだろう。そんな不安や焦りを感じている方がほとんどではないでしょうか。私も最初はそんな事ばかり考えていたのです。
これからお話しするのは、絶賛不登校中の中学生の子どもを持つ親の立場から、今までの体験談を通して、その時の気持ち、実際に行動した事をお話ししていきたいと思います。不登校になる背景はさまざまですよね。こんな親子もいるんだなと気軽に読んでいただければと思います。
この記事では、不登校の前兆・不登校初日・原因・親は何をするべきかを、体験を通してお話しします
こんにちは!
こいちご と申します
娘のモモ
小5の3学期からお休み中
不登校特例校の中学校とフリースクールに在籍しているよ
不登校の前兆
不登校が本格的に始まる前には、様子の変化や行き渋りがみられることが多いと思います。
娘モモの場合は、次の様子が見られました。
- 朝が起きられない、支度が進まない
- 勉強に手がつかない、宿題をやらない
- 学校から帰るとホッとした様子
- 学校から帰ると機嫌が悪い
他にもこんな様子が見られることも‥
- 無気力
- 腹痛、頭痛、食欲不振などの身体的な症状
- 学校の話を自分からしない、聞いても話したがらない
- すぐに怒り出す、イライラする
それではモモのお話しをしていきます。
朝が起きられない
子どもが朝起きられない あるあるですよね。
モモも幼少の頃から朝は苦手で、起きたて1時間位のギャン泣きは毎日のようにあった記憶があります。
それは小学生になってからも同じ、毎日泣きながら目覚めるか、機嫌が悪い、部屋から出てこないことも。
遅刻時間ギリギリに起きてきて、学校へ行くことも多くありました。
毎日は大げさだよー。ちゃんと起きた日もあるでしょー、そういう時の事は、すぐお母さん忘れちゃうんだからー。
そうだよね、早起きの日もあったよね。お母さんは毎朝が時間との戦いで忘れていたよ。ごめんね。
ギャン泣きした後は、スッキリ何事もなかったように朝食を食べることも多く、遅刻ギリギリながらも低学年までは元気に学校へ行っていました。しかし学年が上がるにつれて、それらが益々顕著になり、目が覚めても部屋から出ようとしない、支度をしようとしないの連続で、私の朝はいつもイライラでした。
宿題に手がつかない
子どもに宿題をさせるのに一苦労というのも、親としてはよくあることかと思います。小1の時、担任の先生と初めて面談した際には「モモさんは何でも良くできるほうです」とのこと。半信半疑ながらも上の子が男子だったので、女子はやはり違うなと思っておりました。が、その後、学年が上がるにつれて先生は人違いをしていたのでは?と思うほど宿題に取り組ませるのは大変でした。
今日は遊ぶ約束してきたよ〜
、遊びに行く前に宿題やるか、帰ったらすぐやってよ〜
と約束しても、そう上手くはいかないですよね。宿題が進まない→終わらない→寝るのが遅くなる→朝起きられない→夜眠くならない、という負のスパイラルに陥っていました。
小4の頃には、担任の先生から宿題をやってこないと時々電話がくることもあり、頭を悩ます日々。小5の学力テストでは、ほぼ白紙状態と先生から伝えられ、ガーンとなりましたね。
その頃には完全に登校の行き渋り傾向がありました。でも親としては、怠けているとも見えてしまっていたんですよね。
学校を休み始めた頃
5年生に上がるとすぐに、週に1回休むようになりました。身体は健康体で、1年〜4年生まで休みはゼロでした。
休む原因は、支度が進まずに遅刻する時間になってしまうから。玄関先まで行くのに、そこで止まってしまったり、戻ってきてしまうこともありました。一緒に行ったこともありますが、遅刻をすると目立つから嫌がる。なので休むというのがほとんどでした。
その頃の私は、学校へ行ってほしくてモモの辛い気持ちには、まだ寄り添えてなかった頃です。「明日は必ず行くよ!」って言ってくれた日ほど、朝になって行かないんですよね。それで何度ガッカリしたことか。でも休んだ次の日は必ず行っていました。きっと休んだことでエネルギーが少し補充されたのと、続けて休んではダメという決意があったのだと思います。
休みは週1回から時々2回になり、5月には担任の先生から面談の申し出がありました。
不登校が始まった日
もう行かなくても大丈夫
5年生の冬休み、ディズニーランドからの帰りです。「3学期は頑張って学校へ行くから春休みにまた連れて行って!」と言ってきたので、「よし春休みに必ず行こう!」と約束した2週間後、とうとうその日がきました。
3学期の始業式からわずか数日後、いつものようになかなか外へは出ようとせず「大丈夫だよね、大丈夫だよね」と言ってきます。ここまではいつもの事でした。私は「まだ急いで行けば間に合うよ」と答え、なんとか外に出たものの、戻ってくるかもと安心はできません。
数分経ってから、そっと外に出て角を曲がってみると、まだ数メートルしか進んでいませんでした。ゆっくり歩いているのか、立ち止まっているのか。私はその後ろ姿を見て、もうこれ以上無理させてはダメだと決心したのです。後ろ姿からは震えているようにも見えました。後ろから声をかけると、「怖いの、怖いの」と言います。
「大丈夫だよ、学校はお休みしようね」「もう学校へ行かなくてもいいよ」と声をかけた日が、不登校の始まりでした。
ここまで無理をさせてしまったのは、学校から帰るといつも通りだったり、家では元気だったからです。そして知らず知らずのうちに限界まで追い込んでしまったことに、親としては反省しかありません。
結果的には学校をお休みすることになってしまいましたが、ディズニーランドは春休みに楽しく行ってきました!
【最新2024】不登校の人数と原因は?(令和5年度 令和6年10月31日発表)
文部科学省より、令和6年10月に「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が公表されました。そのデータを元に不登校等の要因の上位を表に抜粋しました。
不登校児童生徒数は小中合計で 346,482人(最新版) です。前年度は299,048人でした。
前年度までは「不登校の要因」となっていましたが、令和6年10月発表のものから、「不登校児童生徒について把握した事実」となっています。
小・中学生(国・公・私)合計
把握した事実(要因) | 割合(小・中学校全体) |
---|---|
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった | 32.2% |
不安・抑うつの相談があった | 23.1% |
生活リズムの不調に関する相談があった | 23.0% |
学業の不審や頻繁な宿題の未提出が見られた | 15.2% |
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報・相談があった | 13.3% |
親子の関わり方に関する問題の情報・相談があった | 12.4% |
家庭生活の変化に関する情報・相談があった | 7.2% |
障害(疑い含む)に起因する特別な教育支援の求め・相談があった | 7.0% |
個別の配慮(障害以外)についての求め・相談があった | 6.6% |
転編入学・進級時の不適応による相談があった | 4.0% |
あそび、非行に関する情報・相談があった | 3.4% |
教職員との関係をめぐる問題の情報や相談があった | 3.0% |
学校のきまり等に関する相談があった | 2.0% |
いじめの被害の情報・相談があった | 1.3% |
不登校といえば誰もが原因は何?と思いますよね。結論から言うと、これ!と言うのはわかりませんでした。何で?いじめじゃないの?、原因が無いわけないでしょ?と周囲の人は返してきます。
でもこれといった原因は、親にはハッキリとはわからなかったです。本人にもわかりません。
この質問はいろいろな人に何度も聞かれましたし、その度に困ってしまうんですよね。不安からくる学校への恐怖心だったのかもしれませんが、その言葉だけでは収まりきらないと思うのです。その不安って何に対して?勉強?友だち?そこでまた質問されますが、不安は様々な要因が混ざり合って出てくるものだってあります。
モモに大切なのは原因を特定することが重要ではなく、不安から解放してあげて、少しでも安心させてあげることが最優先するべきと思ったのです。
親はどうするべき?
子どもが不登校になった時、親として何ができるのでしょうか。
注意した点や実践したこと
私は、子どもが不登校が始まった日から、次のことを実践しました。
- 学校へ行かなくても大丈夫だよ!と繰り返し伝える
- 家での居場所を作ってあげ、安心できる場所があると感じてもらう
- 無理に話を聞かない
- 話しやすい環境づくりを整えてあげる
- 山登りなどを提案し、自然に触れて季節を感じ、体を動かす
無理に話を聞こうとするのはNGです。自然に話してくれるまで、ゆっくり待っている方が本音を聞けるかと思います。
先の見えない不登校ライフが始まり、モモも何をしていいやらと最初は戸惑っている様子。学校を休んでいるという罪悪感を常に持っていましたし、ずっと家にいるのはよくないと思い、仕事が休みの時を利用して公園へ行ったり、山登りをしたり、映画を観に行ったりとなるべく楽しく過ごせるようにしました。
山登りはたくさん行きました。夢中で登ることができて、景色も良いし、頂上に到着した時の達成感は最高です。低山でしたら、初心者でも十分楽しめますね。上の写真は不登校になった直後に行った山からの風景です。
景色キレイだったな
また行きたい!
日中は、お休み前とさほど変わらない様子で基本的に元気です。でも夜寝る時になると「何で学校に行けなくなっちゃったんだろう」「本当は行きたいのに」「友達だってみんな優しいのに」と話すことも。
時には涙ぐむこともありました。私は「少し疲れちゃったんだよ」「エネルギー不足になっちゃったんだね」「今は休んでエネルギーをいっぱい貯めればいいんだよ」と声をかけて眠りについていたのです。
その時はまだ、心が元気になったらそのうち行けるだろうと私たちは思っていました。
最初は子どもを見ていると、焦りを感じるかと思います。でも後ろ向きに歩いているように見えても、確実に成長しているんですよね。学校を休むということは、傷ついた心を回復しようとしている時かもしれません。そのスピードって人それぞれで、他人とは比べることはできないと思います。1ヶ月の子もいれば10年以上の子もいるようです。
今は十分なエネルギーを溜める時なんだなと、ドンと構えましょう!!ってあの時の自分に言いたいです。
どこに相談する?
当初、週末毎に遊びに行っていましたが、親として他に何もしていなかったかと言うとそうではなく、早く何か行動しなければと気持ちは焦りました。
親として次のことを実行しました。
- 学校へ相談(あまりしませんでしたが…)
- 公的機関(自治体)の教育相談への申し込み
- 校内に設置のスクールカウンセラーの予約
- 不登校を支援してくれる公的な居場所を探す
- 小学校卒業後の進路先を調査
他にもこのような選択肢があります。
- 児童精神科などがある専門医療機関に相談
- 民間のフリースクールを検討する
- 不登校児を持つ親の会へ参加する(自治体主催や民間が開催)
不登校児童を支援する相談の申し込みを公的機関で検討する場合、お住まいの地域や年齢によっても変わりますが、なるべく早く行うことをお勧めします。私の住んでいる地域では、実際に最初の相談日は、電話予約をしてから1ヶ月以上先になってしまいました。気持ちとは裏腹に何事にも時間がかかります。最初に相談できる日までは気持ちばかりが焦り、もどかしい日々を過ごしたのです。
相談先などは、こちらの↓記事も合わせてご覧ください。
おわりに
ここまでが、子どもの不登校が始まったまでの、ざっくりとした私の体験談です。
- 不登校になるまでの前兆
- 不登校が始まった日
- 不登校の原因
- 親として何をするべきか
などをお話しさせていただきました。
当時2022年は、不登校児童数は増加傾向と話題にはなっていましたが、周囲にわんさかいるかと言うと、そうではありませんでした。「友達の友達の子どもが小2からずっとそう」「行きつけの美容師さんのお子さんがそうらしいよ」など、けっこう多いんだよねーなんて話にはなりますが、私の周りにはいませんでした。
街でお友達のママさんに会うと深刻な顔をされてしまいます。私も悩んだし、泣いたし、この先どうなるかの不安もあります。でも当初から、子どもを笑顔にすることを一番に考えています。毎日をどう楽しく過ごせば良いのかを考えています。学校にも居場所がなかったのに、お家でも楽しくないなんて嫌ですよね。
家庭では安らげるように、邪魔をせず、適度に距離を保って接する!今は皆と同じようには学校へは行っていませんが、とても穏やかな表情になっています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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